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アルタム動物病院

猫のエイズ・白血病の検査

更新日:4月8日

猫の発情の季節がやってきました。

当院もこの時期は特に猫の避妊去勢手術が増加します。


発情の季節が終わると今度は子猫を拾う方が増加し、よく病院に来ていただきます。

野良猫の子猫はよくノミや腸内の寄生虫をもっていたり、鼻水目やにの病気によく罹患しています。ただ幸い命にかかわることが少ない病気なので、まだいいのですが、エイズ・白血病に罹患している子もいます。

最近では飼主さんもエイズ白血病のことをご存じのことも多く、それを気にして、検査を依頼されます。


ここで、拾われた方に声を大にして言いたいのは、拾った直後にエイズ白血病の検査をしてはいけないということです。 理由は簡単。精度が極めて低いからです。

なぜなら、病院内の検査に引っかかるには猫の体にエイズウィルス・白血病ウィルスが感染成立してないとダメだからです。ウィルスが体に入り、感染成立するにはエイズは1カ月、白血病は1週間かかります。さらにその精度を高めるには猫が5ヵ月齢以上です。つまり最低でも拾って1カ月以上あとの検査がよい、できれば半年齢のころの検査!です。


なので、拾って即検査なんてありえないんです。もし、拾われる3日ぐらい前とかにウィルスが入っても検査して陰性だった、なんてことになります。 検査は陽性か陰性かを判定する検査です。なのに、即検査すると陰性や陽性っていうとんでもないウソの結果になることもあるんです。 


どこかで検査して陰性だったので、さっそく拾った猫を自宅にいる先住猫と同居させ、その後全員死亡というケースを数回経験しています。


ですので、直後は絶対に避けてください。今のコロナ禍でみんな経験したはずです。テレビでもさんざん言ってます。潜伏期間があるんだと。そのせいで検査で偽陰性が起こり、そして安心して健康ヅラして出歩くと、うつしまくるんです。


他院で拾った直後とか数日後とかで検査したというのを本当によく聞きます。何のための検査でしょうか? そこそこの金額の検査で、しかも最悪、ほかの猫の命まで関わってくるというのに。 確かに拾った人も獣医師も早く知りたいというのは分かりますが、では早く知ったらどうだというのでしょうか?早くわかってもこの病気は治りません。拾った直後に検査してエイズと分かったら、情が移らないうちに捨てましょうと獣医師はアドバイスするのでしょうか? ちゃんと検査のタイミングをちゃんと説明すべきです。そうでないと単なる金儲けです。いや金儲けで済めばまだマシ、他猫の命が係わるんですから。


ちなみに逆パターンも経験してます。検査してエイズだ!って言われて、その数年後に検査したら陰性だったというケース。数回ありますが、これはとてもうれしい誤算なんですが、検査のタイミング聞いたら、そりゃあかんわと思いました。

さらに子猫の時に検査してエイズだ!って言われて、数年後、私のところに来た時に幼少時の検査は当てにならないとお伝えしたところ、再検査になり、検査したら陰性だったということも数回あり。 

ちなみにこのケースのうちの1つで、こんなことがありました。子猫を拾った方が飼えないということで、数日後に別の方に譲渡し、譲渡された方が他院で検査して、エイズと判定され、エイズ陽性猫は飼えない!と里子に出したのに、出戻ってきたということがありました。その後、ちゃんと時間を取って検査を当院でしたらエイズ陰性でした。ほんと人(猫)生が変わってしまいました。


なので、猫を拾ったとき、検査を受けましょう、ただし、タイミングに注意です。そしてなにより、もともとの先住猫ちゃんのことをよーーーーーーーーく考えてあげてください。

一番先住猫の意見が重要なんですから。




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